YAZ

銀座化粧のYAZのレビュー・感想・評価

銀座化粧(1951年製作の映画)
3.7
成瀬巳喜男と田中絹代の観る

昭和26年銀座で働く女給の話
戦後スランプだった成瀬が復活の
兆しを見せたというのをよく見る
作品で同年次作に傑作「めし」が
公開されてますね

軽いタッチの風俗映画で銀座の
映像が差し込まれるので記録とし
ての価値も有るかと

ある年齢に達した女性がこの先どうなる
か分らない時代を経済的にどうやって
生きてゆくかを模索してる
因みに田中絹代の実年齢31歳なので
30がかなり高い壁だったのが伺えます

絹代さん曰く経済的に安定した男性の妻
に成るのが一番の幸せだそうで彼女にも
そんな期待を抱かせる瞬間が来たり
愛より金よで妻に納まる友人もいたり

絹代さんの職場の後輩で同居してる香川
京子が若い世代を代表してる
絹代さんには元愛人との子供が居て彼の
描写が結構多く、一つの風景の様に銀座で
働く子供達の描写も

香川京子や子供達には明らかな希望が
見えてその反面絹代さんには。。。。
それでも女性は逞しく元愛人の男は戦争
でダメージを受けてるのかしょぼくれた
感で満ちてる

絹代さんと似た様な境遇の女性達を勇気
付けてるの面は有るのかと。
売春でなく女給なのが成瀬だなと思う
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