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銀座化粧のleylaのレビュー・感想・評価

銀座化粧(1951年製作の映画)
3.8
田中絹代の演技をひたすら見つめる作品だった。

戦後の銀座で女給として働く主人公(田中絹代)。かつての愛人との子が1人いるシングルマザーで、頼まれると断れないお人好しなエピソードが綴られる。ある出来事がきっかけで、お店の妹分(香川京子)の若さと美しさに嫉妬する。“嫉妬”という言葉が似合わない田中絹代さんのキャラがミソでした。若さもない、子供もいる、女性としての幸せが遠のく哀切。それでもまた、今日も夜の銀座へ働きに行く。

前向きに逞しく生きる女性像はいつもの成瀬節。ドラマとしては少し薄めで物足りないけど、夜の銀座の話なのにジメジメせず明るさがある。香川京子さんが美しくて清楚で輝いてました。

1950年頃の銀座の風景が面白い。サン・アイってあんなに昔からあったのかとか、銀座の真ん中に風呂屋(東京温泉)があったのかとか目が離せないロケーションでした。
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