砂場

ナビィの恋の砂場のレビュー・感想・評価

ナビィの恋(1999年製作の映画)
4.7
2000年から映画を振り返ろうとおもって、各年の映画雑誌のベスト、ワーストからピックアップしてレビューします。
一応思い出しも兼ねて配信で再見してからのレビューなんで配信にあるもの限定ですが、、、、

まず2000年、各映画誌ベストで上位に入った『ナビィの恋』

ーーーあらすじーーー
■久しぶりに沖縄県・粟国島に帰省してきた奈々子(西田尚美)。幼馴染みのケンジ(津波信一)が操縦する島への連絡船で、奈々子はハットに白いスーツの老紳士を見かける。島の人か?本土の人か?奈々子を迎えるナビィおばあ(平良とみ)とおじぃの恵達(登川誠仁)。
■島では沖縄民謡やアイリッシュ音楽が演奏されてにぎやかだ
■おじいは”日本人”を拾ってきた。若者は福之助(村上淳)といいバックパッカーだ。
■ナビィおばあ、墓参りをしていると老紳士が、、、二人は60年前恋人同士だった。約束を守るためにサンラー(平良進)は戻って来たのだ。島から追放されたサンラーが戻ってきたことで、東金城(あがりかなぐすく)家一同はユタ(吉田妙子)を囲んで大騒ぎなった。厄災が起きるからまた追いだすべきだ。
■毎日どこかに出かけるナビィ、奈々子が後をつけるとサンラーと抱擁していた。60年前のことを描写するサイレント映画
■牛祭りのステージで奈々子が聖子ちゃんを歌っていると、老紳士を見かけた。ナビィは老紳士サンラーとともにボート島を去っていった。アイシテルの国に行くんだ、、、
■奈々子はこの島に残ると決めた、福之助と結婚、おなかに子供もいる。島の人々に囲まれる奈々子達
ーーーあらすじおわりーーー

🎥🎥🎥
いや~久しぶりに見たけどやはり素晴らしい。
冒頭の軽トラックが港から村に向かう場面だけでもう映画的なんだ。
宮崎アニメであれば背景の方を動かす作画だっただろうというような感じ。

沖縄民謡とアイリッシュ音楽の混合ぶりが楽しい
なぜアイリッシュか、そんなことはどうでもいい。楽しいノリは世界共通なのだ。この多幸感あふれる雰囲気はクストリッツァ映画とかその源流のフェリーニだなあ

ラストでワンカットで時間経過を表す場面などもセンスがいい、
テオ・アンゲロプロス的でもある

全般的に光と影が印象に残る絵だ。沖縄の強い日差しが作る影とか逆光とか暗闇の中のキスシーンとか

サイレント映画とか牛祭りステージなど起伏に飛んだ描写が続き飽きさせない。

色々センスのいいことをやっているんだけど、それを臭く感じさせない
ゆるさ加減が素晴らしい傑作
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