イチロヲ

蛇娘と白髪魔のイチロヲのレビュー・感想・評価

蛇娘と白髪魔(1968年製作の映画)
3.5
生き別れた実親のもとに帰ってきた少女が、はじめて知り合った姉により虐げられ、孤立無援の恐怖を体験していく。楳図かずお原作のオムニバスを1本にミックスさせている、怪奇ホラー映画。

「嫉妬心を原動力としたホラー」を、女性同士の視点から描いている作品(原作は少女漫画として連載)。モノクロ映像とヒュ~ドロドロ系の音楽が相乗効果を上げており、原作の絵柄をそのまま画面に焼き付けたような錯覚をもたらしてくる。

漫画から実写映画へのコンバートで、どうしても気になってしまう「独り言」について、本作では演者が喋らずに心の声で語るように演出されている。昔の映画でさえ、この手法を取っているというのに、現在の映画はなぜ安易に喋らせてしまうのか。

ベリーショート姿の主人公がとても可愛らしく、一見では初代コメットさんのように見えてしまう(実際は別人の女優)。また、原作者の楳図かずお先生が、タクシー運転手役でカメオ出演しており、若かりし頃のキリッとした姿を見せてくれる。
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