SNG

ダーティ・ダンシングのSNGのネタバレレビュー・内容・結末

ダーティ・ダンシング(1987年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かった!
最初、ちょっと単調で眠くなってしまったんだけど、主人公のベイビーがペニーの代役になったあたりからどんどん面白くなっていってよかった。
上流階級の裕福なお嬢様であるフランシスことベイビーは家族の末娘として可愛がられている17歳の女の子。
恋も知らず、夢は平和部隊に入ってボランティアをすること。
そんな彼女が家族で避暑に訪れたケラーマンのリゾートで、ダンサーとして働くジョニーと出逢い、今まで知ることのなかった世界を知って、恋を知って、大人として成長していく物語。
労働階級と富裕層の身分差が大きい世界で、ベイビーは「人は皆平等」として育てられてきたから、差別感情もなく純粋に人と接することができたんだろうな。
ダンサーであり労働階級の自覚があるジョニーは、オーナーやオーナーの息子へ意見することなく言いなりとなっているし、お金のために金持ちのリゾート客とセックスすることもある<自分の身の程をわきまえた>男で、だけどベイビーは<人は皆平等>と育ってきたから、区別も差別もすることなく、困っているようならできることをしようと奮闘する。
ジョニーのダンスパートナーであるペニーが、女たらしウェイターの子供を妊娠してしまったことから話が動き出し、ベイビーは中絶のためのお金を父親から理由は聞かないでくれと借りてきてくれて、中絶の医師がくる日にダンス大会へと出なくてはならないペニーの代役としてジョニーのダンスパートナーとなってくれる。
ダンスなんて社交ダンスがせいぜいのお嬢様がマンボを習ってどんどんとセクシーに踊っていく姿、ど素人の状態からどんどんと踊れるようになっていく姿はベイビーの成長が感じられてよかった。
ダンス大会から帰るとペニーの中絶手術は失敗しており、ベイビーは慌てて医師である自分の父親を呼んで処置をしてもらう。
父親は信じて貸したお金の使途がヤミ中絶費用であったこと、ジョニーが責任をとると言い出したことからジョニーがペニーを妊娠させて中絶させたのだと思い込み、この界隈と付き合うのは一切やめろとベイビーに怒る。
ベイビーはジョニーが好きになっていたので、そんなん無理やろとその日のうちにジョニーの住んでる山小屋へと行き、二人は結ばれる。
父の目を盗んで逢瀬を重ねる二人。
関係は秘密で、将来が見えない。
レッスン室で密会してたある日、リゾートホテルオーナーの息子が、毎年恒例のタレントショーについて、マンボに飽きたから違う出し物をしろと命令しにきて、ジョニーは意見することなくそれにOKと答える。ベイビーはなぜ意見を言わないのか、戦わずに逃げてはいけないと怒るが、自分だって父親に自分達の関係を告げることなく逃げているじゃないかと非難される。
喧嘩別れとなってしまうけど、すぐにベイビーが謝りに行って、二人は関係を継続。
ジョニーはリゾート客のマダムからベッドの誘いを受けるも断り、ベイビーとの逢瀬を重ねる。
だけど山小屋の出入り口でベイビーとキスしてるところをベッドの誘いを断ったマダムに見られて、窃盗の濡れ衣を着せられるジョニー。クビが宣告された彼を救おうとベイビーは「彼は濡れ衣だ。自分が彼と一晩中一緒にいたのだから窃盗なんてできるわけがない」と告白。
ジョニーの疑いは晴れたけれど、客に手を出したということでどっちにしろクビ。
戦ったところで負け戦だったと消沈するベイビーに、そんなことはないと、ジョニーは立ち向かったベイビーの勇気を称える。
最終的に最後のタレントショーに従業員ではなくなったジョニーが現れて、ショーをのっとってベイビーをダンスパートナーとして素晴らしい踊りを披露し、ベイビーの父親がしていた女性を妊娠させて中絶させた身勝手な男という誤解も、本当の犯人からの自白によって晴れ和解、父と娘も和解、みんなでダンスしてエンド!という最高にハッピーな終わり方。
話がよく作り込まれていて本当によかった。
家族からも愛称であるベイビーと呼ばれ、主人公はずっとその愛称通りものを知らない赤ちゃん扱いだったのが、どんどん成長していって、姉からも認められ、最後は父も彼女を一人の人間として認め、褒め称える。
ベイビー扱いの主人公を初めてフランシスという女性としてみてくれたのがジョニーで、タレントショーでステージを乗っ取ってしたスピーチでも、パートナーは素晴らしい女性のフランシスだと紹介する。
冒頭からラストまでで、本当に少女だった女の子が女性に成長する様を見ることができるので、俳優さんに脱帽!!
この先、彼ら二人の恋がどうなるのかはわからないけど、ダンスで幕を閉じたのもよかった。こういう身分差の話って悲恋で終わったりも多いので、時代性を考えると許されないのでは?と思いつつ、とりあえず今は踊って終わり!!っていうぶちぎり方が逆によかった。
あと、ダンスの練習してるシーンでの女性二人で踊るシーンが好きだった。二人ともハイヒールで向かい合って、かっこよかった〜!!
ハッピーでいい映画でした。
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