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砂の器のふるっとのネタバレレビュー・内容・結末

砂の器(1974年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

満たされかった器、満たされましたね。

踊る大捜査線2の亀田はここからきてる?
序盤は室井さんのことを考えながら観ました。

理不尽な身の上を辿る上で
何をしても満たされなくなってしまった
秀夫には同情しかないし、それでも三木さんを殺すことになってしまった運命が悲しくてしょうがない。

物語の核心に迫る回想では
秀夫本人が音楽を演奏することで
旅のひもじさ、差別のつらさ、親子以外頼れるもののいない疎外感、
それでも父と過ごした楽しい時間が
とてつもない説得力で伝わってくる

丹波哲郎の好きなシーン
1.何か進展があった時は機嫌よく居酒屋で笑顔でいるところ
2.本当にあったの!?みたいな、予想外の結果に対する「えっ!?」と驚くところ

加藤嘉の好きなシーン
ハンセン病で手足や顔に影響が出ている演技が凄すぎて
本物の千代吉なんじゃないか?と何度も思った。

1.足がもつれながらも、いじめられている秀夫に駆けつけるシーン

2.物乞いをしたり、差別されてる時には子供に申し訳なさそうにする表情

3.成長した秀夫の写真を見て、感極まり
その後「そんな人知りません」と庇うシーン


ハンセン病の元々の病名である
らい病の"らい"とは
汚れや天罰の意味があるとのこと。
印象が悪すぎる名前なので改名に至ったのも納得。

各地方に飛び回り、その土地の人達と触れ合う
場面では、方言が凄く生きていて
当時を生きていた人の生活や思い出を感じられた。
全く関わりのない人たちだが懐かしい感情が湧いてきた。
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