いろどり

キャラメルのいろどりのレビュー・感想・評価

キャラメル(2007年製作の映画)
4.3
「私たちはどこに行くの?」で好きになったナディーン・ラバキー監督の前作でありデビュー作。生きづらさを抱え悩む女性を応援する素敵な映画だった!宗教の違いによる息苦しさはほんの側面で、愛、不倫、結婚、老い、老老介護下の恋愛など、全女性が抱える普遍的なテーマを女性視点で描く女性讃歌だと思った。警察官の片思いの描き方も優しくて微笑ましい。

エステサロンで働く女性たちがメインなのでみんなおしゃれで華やかでみていて楽しくなる。脱毛方法が熱いキャラメルを皮膚につけてべりっと剝がすとは、驚きの中東文化!人生は甘く、しょっぱく、ときには火傷をしてしまうこともある。メッセージをちりばめながら愛とユーモアいっぱいの見やすい作品をつくるラバキー監督が大好きになった。

そして、本当にお綺麗です。

今作と「私たちはどこに行くの?」を観たことで、レバノンはイスラム教国家ではなく、キリスト教と半々なのだと知った。アラビア語なのに挨拶でボンジュール、メルシーとフランス語が混じるのもフランス統治時代の片鱗が見えて興味深い。以前、御茶ノ水でレバノン料理を食べたことがあるのを思い出した。トルコのケバブみたいで美味しかった。まだあるのかな。

女性への愛、人間への愛、人生への愛、そしてレバノンの首都ベイルートへの愛を感じる作品だった。

美しくパワフルなラバキー監督、これからずっとついていきます!
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