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狂った野獣のhikumahikaのレビュー・感想・評価

狂った野獣(1976年製作の映画)
3.5


【心筋梗塞の運転手とパニクった銀行強盗と視力低下した渡瀬恒彦のハンドル捌きによる爆笑カーアクション巨篇】

銀行強盗に失敗した二人組が京都の路線バスに乗り込んでジャックし逃走しようとするが最後部座席にはギターケースを抱えた渡瀬が悠然と座っていた。

二癖以上ある乗客たちはパニックになったり犯人に悪態ついたり仲間割れしたり終盤からラストにかけては人間の本性と群集心理というものを全開にしている。

生きて映画作品のエンディングを迎えたためしのない川谷拓三、何をやっても噛ませ犬程度の成果しか上げられない警官役の室田日出男、チンドン屋の道化姿で命ここまでと遺書をしたためる志賀勝など、個性派スターが魅せてくれる。

誰一人まともなキャラがおらず犯罪モノでありながらヒーローも存在しない作品なのである。
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