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クルード 〜アマゾンの原油流出パニック〜のRのレビュー・感想・評価

3.9
石油を掘り起こすためにエクアドルの熱帯雨林で起こったすさまじい環境汚染に対する訴訟を追ったドキュメンタリー。10年以上闘い続けているのにいまだ解決されない様子は、エリンブロコビッチの劇中想定された悪夢を髣髴させる。闘ってる相手が世界最大級の企業シェブロンであり、時間がかかればかかるほど原告側が疲弊していくのを承知で、延々と訴訟をのばしている。そんなとき大きな成果をあげられないままの原告側に2つの転機が訪れる。企業との癒着のない新大統領がうまれ、そして、アメリカの大手雑誌ヴァニティフェアにこの事件が大々的に取り上げられたこと。そこから戦況は激変していく。だが、それでもまだ環境汚染が解決したわけではない、地獄が終わったわけではない、癌が消えるわけでもない、苦しみは終わることなく続いていく。利益のために民衆の苦悩を無視し続ける大企業、大企業に雇われ、害はないと繰り返し主張する科学者たち。絶望のなかで見えるかすかな光明。現在どうなっているのかはわからないが、よくなっていることを願わずにはおれない。てかスティング歌うめー。
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