はぐれ

冬物語のはぐれのレビュー・感想・評価

冬物語(1992年製作の映画)
2.9
奇跡に翻弄される男たちの物語。そう結論付けた方がなんかしっくりくる。一見主人公のヒロインの生き方は純粋で真っ当のように目に映るけど、それを貫かれた時の周りの迷惑ったらないなと思ってしまった。

狂信的な宗教観と同じ。超自然現象を心の拠り所にしてしまうって本当に怖い。信じた本人は救われるんだけど無意識の内に周りにしわ寄せがいってしまう。

ラストをあまりに感動的すぎるご都合主義とも言えるハリウッドエンディングにしたのもロメールのそんな想いがあったからなんじゃ?と邪推してしまう。観客はどうしても映画にそれを求めてしまうけど、そんな奇跡的な出来事が起きるって実はシェイクスピアの『冬物語』みたいにありえないことなんだよって。それはまるで死者の黄泉がえりを期待する様な危ういことなんだよって。

図書館勤務のやさおのお兄さん。素敵なパートナーを見つけて幸せになっておくれ😢
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