福福吉吉

湯殿山麓呪い村の福福吉吉のレビュー・感想・評価

湯殿山麓呪い村(1984年製作の映画)
3.5
大学講師の滝は湯殿山麓弥勒寺にある幽海上人の即身仏に興味を抱き、地下に眠る即身仏を発掘する計画を立てる。瀧は淡路剛造に発掘の資金提供を約束してもらうが、剛造あてに謎の手紙が届いた直後、剛造は資金提供を断ってしまう。その夜、剛造は変死体となって発見される。

ストーリーは少し難解で、登場人物の多さと人間関係の複雑さがその要因になっていると思います。また、即身仏に関わる宗教的な意味合いなどもなかなか複雑で、理解しにくかったです。

主人公の滝(永島敏行)は、かなり自己中心的な人間として描かれていて、即身仏の発掘計画を成功させるため、手段を選ばない人物で感情移入できないキャラクターでした。そして、スポンサーである淡路剛造の娘である慶子(永島暎子)と不倫関係にあり、人間的にも褒めるところが無い人物に感じました。

本作はミステリー作品ですが、事件の背景など後出しの部分が多いため、剛造の事件以外は推理しにくいと思います。動機の部分となると人間関係や過去の経緯などが絡むため、まず分からないと思います。しかし、終盤の真相については驚く部分も多々あって面白かったです。

なかなか面白かったと思います。このように感情移入できない主人公を軸にしたミステリーは目新しく感じました。

鑑賞日:2023年6月28日
鑑賞方法:U-NEXT
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