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彼岸花のkojikojiのレビュー・感想・評価

彼岸花(1958年製作の映画)
4.2
1958年 監督:小津安二郎 脚本:小津安二郎、野田高悟
●佐分利信(平山)●田中絹代(平山の妻)
●有馬稲子(セツコ)●山本富士子(幸子)

 こんなに感情移入できるようになったのかと自分に驚く。等身大で佐分利信の話を聞き、観れることが不思議に思えた。
 小さい頃から佐分利信の映画は何度となく見てきたが、頑固な親父で、彼が出る映画は好きではなかった。その印象が強いままタイムスリップして、自分だけが年を取り、彼の年代になり、彼の行動も言ってることも何もかもわかる、わかると思い、笑い、泣いてしまう。そう言う意味で、この彼岸花は、本当に小津安二郎の魅力がわかった映画なのかもしれない。
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 大手企業の常務である平山の元に、谷口(佐田啓二)という男が現れ、広島への転勤が迫っているのでその前に結婚を認めてほしいことを伝えられて驚く。
 帰宅した平山は節子を厳しく叱責するが、節子は自分の幸せは自分で探したいと言い、二人の間は険悪なものになる。妻も間に入って取りなそうとするが、平山は頑なになるばかりだ。
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 ここで、平山の馴染みの京都の旅館の女将である佐々木初(浪花千栄子)と、その娘の幸子(山本富士子)が、平山の頑なな心をほぐす重要な役割を果たす。この二人、小津作品には異色に感じるが、この作品では味をしっかり効かせる香辛料の役割をしている。

原作は里見弴の「彼岸花」となっているが、元々あった小説ではなく、このための書き下ろしらしい。
それにしても何故「彼岸花」なんだろう?
わからない。

 忘れてはいけない、
 田中絹代。日本のお母さんの原型を見る思い。素晴らしい!
 そして、またまた出ました友人三人組。あまり出番はなかったが、「若松」での飲み会はやっぱりいいなぁー
 #2022-335
死ぬまでに観たい映画マイベスト1000-128
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