ゆるゆるスライダー

ハート・ロッカーのゆるゆるスライダーのレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
3.6
極限状態の戦地を描くのは珍しくないが、本作はそれだけに留まらない。イラク戦争をこんなにも淡々と描く作品があったとは。

戦地とはいえ兵隊なりの日常がある。常に死と隣り合わせであることが当たり前とつい思ってしまうけれど、その中でも本当に死が近づく瞬間があるわけである。もともと非日常が当たり前になった世界にも、日常とそれ以外の境があるのだ。

薄氷の上を歩く兵士の姿にわかりやすいメッセージ性を押し付けるわけでもなく、あとはどう汲み取るかは観客の手に委ねられている。