Achilles

ザ・ロードのAchillesのレビュー・感想・評価

ザ・ロード(2009年製作の映画)
4.4
世界は生き物も植物も食べ物も絶え、人々は次第に希望も良心も失い人肉までも食べるような輩まで出てきた
生まれてきてもなんの希望もないと産むことすら拒もうとする母親
既に絶望で溢れているこの世界に生まれた息子と父親の愛を描いたロードムービー的作品

父親はひたすら進む。
なんの為に?

父親はしきりに言う
「心の中の火を運んでいる」と

彼にとっての火とは息子であり
息子には希望を捨てず良識を持ち続けて生きて欲しいという息子の未来に対しての良心の見せ方であり、妻と交わした息子の為にも暖かい南を目指すという約束でもある
それら全ては息子の為

息子の為に何としても生きなければという使命感から時に父が非情になりかけても純粋で無垢な息子に気づかされる火の意思
父は息子の身を護り、息子は父の心を守る
親子は2人で火を灯し続けながら生きていく
それでも世界は変わらない
息子の心の火を絶やさぬように父はいつまでも息子の側に。


なんだろう、終始切なく希望もなく暗〜い雰囲気なのに個人的には心が救われた作品。こんな世でも強くあろう、正しく生きようとする意思は尊い。
世界観も雰囲気も音楽もとてもいい
Achilles

Achilles