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ひゃくはちのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

ひゃくはち(2008年製作の映画)
4.1
これはよかった。ホロホロしました。 スポ根のジャンルに入るとしたら変化球で、強豪校に野球特待生で入学したけれど<万年補欠>の二人(斎藤嘉樹と中村蒼)が、神頼みしながら(笑)、切磋琢磨してベンチ入りを目指す泣き笑いの等身大の青春物語。➰➰⚾カキーン

ホロリとするし、うるうるするし、笑えるし、親心で観ました。

二人は中学までは花形スターだったはず。でも強豪校では日の目を見ない。レギュラーどころかベンチ入りすらもできないで、高校生活をすべて野球に捧げてきた。頑張っても頑張っても才能ある選手との開きは縮まらない。でもここで辞めたらすべてが無になる。

ライバルに勝ちポジションを獲った者は、負けた者や辞めていく者の痛みをグッと黙って受けとめ、甲子園に向かっていく。

作品の高校は部員80人中20人がベンチ入りします。気になって甲子園の出場校の部員数調べたら、平均90人前後で25人までベンチ入りできるとのこと。三年になっても一度もベンチ入りできず、スタンドで応援する側になっている選手もいるでしょう。

甲子園のグラウンドに立ち脚光を浴びる選手のバックにいるその他大勢の選手の青春を描いた良作です。甲子園始まる前に観れば、熱い声援送れたかも。今からでも遅くない。明日から準決勝⚾


今日、近隣のけっこう強豪校の前を通ったら、野球推薦らしき野球服の日焼けした体格のいい中学生たちが親と一緒に集まっていました。面接か試験のようです。緊張している少年たちの顔が映画と重なりました。


「ひゃくはち」とは煩悩の数ではなく、野球のボール⚾の縫い目の数です。
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