海風

イゴールの約束の海風のレビュー・感想・評価

イゴールの約束(1996年製作の映画)
4.6
この監督が作り出す映像の柔らかさや優しさ、ナチュラルな人物の雰囲気がとても好きです。
この監督の作品は、ベルギーの社会問題を忠実に描いているのかもしれない。貧困層に属する不法滞在者、職業訓練所で働く人ら、青少年雇用だったり多方面から問題を提示している。
やっぱりさすがです。

話は逸れるけど、「ロゼッタ」というこの監督の作品が公開された当時、社会現象となり、ベルギーでは「ロゼッタ・プラン」という 初めて社会に出る若者を雇用する際の経営者側の負担を軽減するという法律が成立した。
それほど影響は大きく、映画が社会を変えたのだ。

そんな監督の作品なので、期待して観ました。期待通りでした。
この結末の含みに意味があるんだと思います。
イゴールの人情の厚さが胸を熱くさせたし、見方によってはビルディングロマンスの部類にもなる映画だと思います。親に初めて逆らって守るべきものを守っていく姿は、アイに触れることができた気がしました。
やっぱり、ダルデンヌ兄弟が好きです。
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