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カナディアン・エクスプレスのHKのレビュー・感想・評価

3.4
ちょうど私が映画の長期ブランクに突入した頃の作品で、その後‘90年代~2010年代半ばまでブランクが続き、本作も今回が初見。
殺人を目撃したため犯罪組織に命を狙われる女性を、主人公の検事が守りつつ疾走する特急列車に逃げ込みますが、列車内にも殺し屋の魔の手が・・・

ピーター・ハイアムズ監督作は『カプリコン1』『アウトランド』『密殺集団』『2010年』あたりは劇場で観てますが、その後は配信で『プレシディオの男たち』を見たくらいなので久しぶり。
カメラマン出身の得意技で本作でも撮影兼任。

ジーン・ハックマン(当時60歳)の堂々主演作を観るのも久しぶり。
この後の作品を見ると本作がピンで主役を張ったほぼ最後の作品くらいですね。
まだ重鎮の共演者の一人に納まる前で、カーチェイスや走る列車から敵を落としたり屋根に走ったりと007のようなアクションまで披露してくれます。

こういう役はだいたいアクション派のイケメン(日本ではかつて走る列車の上は千葉真一が定番)ですが、二枚目ではなく、若くもなく、髪の毛も寂しい足も滑らせそうなハックマンだからこその独特の味。

序盤でハックマンと組む刑事はパッとしないし知らない俳優だからスグ死ぬなと思ったら案の定あっさり。すぐにハックマンとアン・アーチャー(出演作を2~3本見てるようですが記憶はナシ)の2人の命がけで色気ゼロの逃避行が始まります。
お話の方は97分と手頃ですが、ちょっとコンパクトにまとめすぎたようで、もうちょっと紆余曲折を楽しませてくれてもよかった気はします。

音楽はブルース・ブロートン。80年代後半から私の映画ブランク期間中に活躍した人のようですが作品数もかなり多く、『シルバラード』『ヤングシャーロック/ピラミッドの謎』『ロスト・イン・スペース』あたりはこの人だったんですね。

オリジナル脚本ですが、実は1950年代にリチャード・フライシャーが一度映画化(日本未公開)しており、本作はそのリメイクなんだそうです。
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