しおぷーる

椿三十郎のしおぷーるのネタバレレビュー・内容・結末

椿三十郎(1962年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

時代劇は堅苦しくて難しいイメージがあったから今まで観てこなかったが、物語の構成やそれぞれのキャラクターが濃い登場人物たちも相まって、次はどうなるのだろうとドキドキしたり、あっという間だった。

カメラワークや画面の構図では、横長の画面を活かした流れで映されていた。大衆が走る場面を左から右へカメラを止めて流していたり、シンメトリーになっている箇所があったり、引き戸の手前から奥にいる人物の顔を映していたりなどなど。

カメラのワンカットにはきちんと始まりと終わりがあり、一つ一つ意味のあるカット編集になっていてとても面白く参考になる。
黒澤監督のこだわりがよく伝わります。

演じている人達の演技もまた面白く、感情を大袈裟に体の動きで表したり、大衆を使って場面に説得力を持たせていたりなど新鮮かつ斬新で惹き付けられた。

最後の居合切りの場面は、2人が見合っている静かな時間がリアルで、後ろで見守っている侍たちの息遣いまで聞こえてきそうなほど緊迫したワンシーンだった。
ここではカット編集が無く、自分も本当にその場で見守っているような感覚になる。

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