根本的な元ネタ（第一作）に当たるのは1922年の『ドクトル・マブゼ』で、このサイレント期屈指の大作てのはまだ私ちょっと観れてないのですケドその続編が1932年の同名作品『怪人マブゼ博士』なのですね。今作は、内容的にはこの２本の直接的な続篇…だとも言えるのですが、同時に二作目のリメイクに少し近い様な構成を擁しています。第一作で逮捕されたマブゼ博士は、精神病院に収監されている第二作において「遺言」として自身の恐るべき信念を実現すべく犯罪計画（やらナンやら）を遺して死んでゆく、んでソレを基に…とゆーのが今作（＆二作目）の根本的な内容ではあって、なので、今作は本質的にはごくシンプルなサスペンス・スリラーであり、んでそのクオリティ自体は（年代的にも）十分にそこそこと言える出来なので、いま無造作に観ても暇潰しには十分でねーかな、と思いますね（＋ラストに明かされるコトの真相…てのも、個人的には決して悪くは・陳腐ではなかったかな、と）。機会が在れば。
ただし、いずれも歴史的傑作と名高い先行の２作品と比べちゃうとたぶん正直ソレに比肩する…てレベルではなさそーなのも確かなのですね（⇒ゆーて前述どおり私は第一作は観れてねーのですケドも）。マブゼ博士が全く出て来ないのでその面の見応えとゆーのも物足りないですし、彼の語る恐ろしい「思想」が物語に凄みを加えている…とゆーコトもねーですし、個別にはもう一つ、オーラスはまた比較的派手なアクション展開・カーチェイスとかになってゆくのですがソコも（第二作よりは）ハッキリとショボいのですよね。。重ねて、暇潰しには為るかと思いますが、ソレ以上には…という感じですかね。
