このレビューはネタバレを含みます
ヴィシー政権下の厳しい検閲体制のなか作られた、ブレッソン長編デビュー作。
刑務所での受刑者も受け入れているドミニコ会修道院に入信するお嬢様育ちのアンヌ=マリーは、あつい信仰心と罪深き者を救いたいという使命感に満ち、とりわけ問題児だったテレーズに手を差し伸べるけれど、それは執着にも似たお節介で疎ましく思われ...。
女性だけの特有な空間のなかで熟成される妬みや嫉み...。傷ついたアンヌ=マリーは一度は修道院を出るけれど信仰を絶つことが出来ず瀕死の状態で見つかり、テレーズは彼女の世話をするなかで改心していくのでした。
アンヌ=マリー役のルネ・フォールが美しく、ひと時結婚していたクリスチャン=ジャック監督の「パルムの僧院」にも出演している。
2024-169