inazuma

サインのinazumaのネタバレレビュー・内容・結末

サイン(2002年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

メル・ギブソンにひたすらホッコリさせられ、ひたすら泣かされそうになるSFホラー。

タイトルの「SIGNS」が見事。記号、前兆、警告、啓示、合図など、この単語の持つ様々な意味が作品内で巧く機能しています。特に、物語の発端となるミステリーサークルは脅威であると同時に、結果的にメルギブのオトンが「信じる心」を取り戻すキッカケでもあったというのが上手いです。映画に限らず、物語においてサイン="伏線"はつきもので、脅威が訪れればそれは必ず登場人物の成長のキッカケになり、そういった当たり前の構造をもタイトルに込められているように思えます。これまた映画の楽しみ方を再認識できる作品でした。
…そういう意味でいうと、随所にみられる"ご都合主義的展開"もそれ自体がこの映画のテーマになっているように思えます。シャマランめ、こういうところも上手いというか、ズルいというか。

ただ、宇宙人の扱いには突っ込みどころが満載で、これは単純に粗い部分というか、シャマランがよっぽどSFに興味がないのか。全編に渡ってSF臭が立ちこめてますが、内容は信仰と家族についての物語であり、SF要素はオマケみたいなものなんでしょう。
…とは言いつつ、宇宙人のフォルムというか映し方にはゾッとさせられました。ホアキンがテレビのニュースで目撃するビデオカメラで撮られた宇宙人の姿はまさに。ちょっとJホラーチックな怖さ…電源が入っていない黒いテレビ画面に映るとことか完全に貞子やがな!2002年はJホラーに脂がのってた時期といこともあり、シャマランなりに意識していたのだろうか。

メルギブ以外の役者も素晴らしくて、若かりしホアキン・フェニックスはもちろんのこと、子役たちは良い収穫でした。兄貴も妹ちゃんも今もいろんな映画に出てて絶賛活躍中のようで。特に兄貴のロリー・カルキンに関しては、本作の純真無垢な少年役とは裏腹に、危なっかしそうな作品にたくさん出演してるみたいで気になる!(『ロード・オブ・カオス』が特に!笑)
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