エイデン

呪いの館 血を吸う眼のエイデンのレビュー・感想・評価

呪いの館 血を吸う眼(1971年製作の映画)
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中学教師の秋子は、休日を利用して愛犬レオを連れ散歩へと繰り出していた
秋子が懇意にしているボートハウスの主人 久作に扉を直して欲しいと頼んでいると、普段は大人しいレオが突然走り始める
その様子を見て、秋子の脳裏には過去の嫌な思い出が蘇っていた
逃げた犬を追いかけ、何かとても恐ろしいものを見たというものだ
レオは向こうからやって来る運送屋のトラックに反応した様子で、そのトラックはボートハウスの前で停車する
乗っていた運送員は巨大な木箱を下ろすと、送り主もわからないと無愛想な態度で言い残し去っていくのだった
秋子を見送った久作が木箱を開けてみると中には棺桶が入っており、久作は悪趣味な悪戯だと憤る
一方 自宅に帰った秋子は、ずっと描き続けている絵画について妹の夏子と話をしていた
巨大な眼を中心に添えたその絵は、レオが逃げた際に垣間見た昔の思い出をモチーフにしたものだったが、当の秋子はその時に見た眼以外何も覚えていなかった
そこに秋子の恋人で医者をしている佐伯がやって来て暫し歓談を楽しむ
やがて夜も更け夏子と佐伯は席を立つが、ふと秋子は扉の修理を約束した久作が来ていないことに気が付く
心配した秋子は久作の家を訪ねるが、そこに久作の姿は無く、代わりに不気味な雰囲気の男が立ち尽くしていた
何を問いかけても答えない男はゆっくりと近づき、恐怖に駆られた秋子は思わず外へと飛び出す
それ以来、秋子の周囲で怪しげな事件が起こり始め・・・



東宝製作の特撮ホラー映画『血を吸う』シリーズ2作目
1作目とは関連性が無い単体作
これは血は吸うやつ

秋子の不気味な記憶をベースに、次々と起こる不可解な事件が繋がっていくサスペンス・スリラー仕立ての作品
一応 前作同様にゴシック・ホラーを目指したようだけど、日本感強すぎてそんなに感じない

全体としては不気味さよりも不可解な出来事が連続するところが多いんだけど、何と言っても目を引くのが岸田森が演じる吸血鬼
大したメイクもしていないものの、得体の知れない佇まいと野獣のようなギラついた眼力が存在感を際立たせてて、出てくるだけで画面が締まる
そしてショッキングなクライマックスシーンは特撮の力も相まって、鑑賞者の目にも印象的に映るんじゃないかと思う

ジャパナイズはされているものの、本格的なドラキュラ映画の日本版を目指しただけあって、「らしさ」は十分に捉えられてるし、作品としての面白さも付いてきている印象
恐怖演出こそアレかもしれないけど、個人的にはシリーズで1番好きなので、ぜひ観てみてほしい
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