あなぐらむ

シルバーホークのあなぐらむのレビュー・感想・評価

シルバーホーク(2004年製作の映画)
4.1
先に公開された「レジェンド」と同じく、今回も姐さん自らのプロデュース作品で、監督はカメラマン出身の映像派ジングル・マ(「東京攻略」「星願」)が担当。前作同様、国際マーケットを意識してか、全編英語(回想部のみ北京語)の作品となっている。

ストーリーはややこしそうに見えるが、実はあんまり気にしなくてもいい。
本作はただただ美しいミシェール姐(マジで綺麗に撮れてる)とその華麗なるアクションを楽しむ、それだけでOK! な映画だ。
なんというか、全編のテイストは日本の特撮ヒーローみたいな感じ。
とにかく要所要所にアクションがあり、敗北→共闘→勝利! みたいなそんな映画。
説明いりまへん。

見所としてはまず冒頭の万里の長城バイクでジャンプ! を始めとするバイクアクションと、中盤にある狭い室内を使ったバンジーファイト(バンジージャンプの要領で空中から襲いくる敵とシルバー・ホークの四次元アクション!)、モリス(マイケル・ジェイ・ホワイト)&ジェーン(リー・ビンビン)コンビとシルバー・ホーク、リッチマンコンビの対決! とにかく工夫をこらしたアクションが満載で飽きさせない。にしてもミシェール姐の映画は敵役が西洋人ってパターン、多いね。

ミシェール姐は今回、全編ショートパンツやら真っ白なパンツスーツやらと露出も多めな衣装で如何なく「イイ女」っぷりを披露。流石アジアを代表するスター!自分大好きオーラが凄い。
お歳をめしてもその脚技はまだまだ現役!銀色のちょい恥ずかしげなコスチュームに身を包んでますます快調。
どこかにも書いてあったが、リッチー・レンが幼馴染みってのはいくらなんでもないだろ、という気もするが、まぁ許せ。
リッチー・レン、「大事件」とはうって変わってこちらはいつもの三の線の気のいい刑事さんを楽しげに演じている。クンフーも意外とイケるところを見せてくれて眼福。
敵役のルーク・ゴスは元Brosのメンバー(!)。「ブレイド2」にも出てるらしい。
オススメとしては、シルバー・ホークを苦しめる悪の戦士ジェーン役の「もう一人のビンビン」ことリー・ビンビン。まんま戦隊ヒーローの悪の女幹部みたいなキャラでセリフもろくにないが、ちょいビザールな衣装でアクション決めてくれてありがたし。出て来るたびにウィッグの色が違うのもいい。

あと、これは監督のジングル・マの趣味だと思うけど(東京攻略で前科アリ)、出て来る女性がみんな綺麗! 脇役まで綺麗! 特にゼンダ市警の刑事林リサ(って思い切り西洋人なんですが)役のリサ・なんとかさんが好み。活躍場面は少なかったが。

タイトルにあるように銀色を強く印象づける色彩設計もいいし、未来都市のディテールも中々垢抜けてる。シルバー・ホークのコスチュームや愛用するバイクも正しく「戦うヒロイン」していてよろしい。彼女が何故仮面をつけて戦うのか、それには結構泣けるエピソードもあって、ドラマ部も拙いながら頑張っている。日本ロケでは自宅近所のビルも映ってて大笑いしたが、ジングル・マ監督は日本びいきなのか? エンディングも都庁前だし。
プログラム・ピクチュアとしてはまさに正統派な作品、ハリウッド製のアメコミ映画化に飽きた方にもちょっとオススメ。ミシェール姐ファンは観るのは義務。以上。