めったに投稿しませんが

ヨーロッパ・ヨーロッパ 〜僕を愛したふたつの国〜のめったに投稿しませんがのレビュー・感想・評価

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<北米版DVD(英語字幕付き)で鑑賞した。やはり逸品!>
VHSテープ時代にレンタルで観て、印象に残った映画である。しかし、もう1回観たいと思っても、レンタルや配信は見当たらなかった。

そこで、Amazonで「Europa Europa」で検索したら、Blu-Ray 4501円、DVD 2,393円であった。Criterionという米国の会社が販売元で、北米版で英語字幕である。今回はこのDVDを購入した。(私が買った後、売り切れてしまった模様)

北米版DVDでも、英語以外で作られた映画(本作はドイツ語)は英語字幕がつくので有り難い。読むのは面倒だが、ある程度ストーリーの予備知識があれば、ついていける。

なお、北米版DVDのリージョンコードの問題については、PCを使いVLC media playerというフリーソフトで再生すれば、PCのリージョンコード設定をいじらなくても再生できる(*)。
(*)ネットの情報および私の経験からはOK。トライする場合は自己責任で。

★★★★★★★ ここから視聴後の感想 ★★★★★★★
Amazonから届いたDVDは、中古ではなく未使用品であった。英語字幕は、シンプルな文章が多く、ある程度の読解力があれば苦労しないだろう。

やはり、実話ならではの重みがあり、貴重な映画だと思った。ピンチを何回もラッキーに切り抜けていくので、コメディのようにも思える(演出もユーモアあり)が、根はシリアスそのものである。

全体としては、「ナチズムに対するソ連の勝利」という展開だが、共産主義を称賛しているわけでもない。この映画のメイン・テーマを挙げるとすれば、ひたすらな「生存本能」だろう。戦争の嵐に翻弄される中で、いったんはユダヤ人というアイデンティティーすら放棄する主人公。結局は、ユダヤ人を敵視しないソ連軍に身を投じて生き延びるわけだが、その個人史を描くことにより、社会の狂気をあぶり出している作品である。