舞台はスペイン・アンダルシア地方。フラメンコ音楽を中心にしたミュージカルバラエティー。
トニー・ガトリフ祭りをひとり開催中。で試聴。
圧巻は最新スタイルでありながら堂々たる風格の旋回舞踏（スーフィズム）との即興セッション。これが冒頭にあるので一気にのめりこむ。
フラメンコに影響を与えたとされているロマ音楽とイスラム神秘主義の親和性が高いのはふつうにびっくりする。地理的には（「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」でやってたように旋回舞踏がトルコだとして）地中海のあっちとこっちで離れているので、ダンスというくくりで交流があったのかな？
あくまでメインは音楽なんだけど、ストーリーも存在している。そのあたりはまあググれば出てくる。映画の企画内容とは関係なく「仁義なき戦い」の短縮版みたいなことやってる。正直、そちらは特筆するようなものではない。
ググってもなかなか出てこないのはスーフィズムのことや、フラメンコシンガーが作中で歌う「ラブユー東京」のことなど。日本のヒット歌謡がどのタイミングで伝わって、スペインのフラメンコ界隈で歌われるようになったんだろうね。
このあたりの選曲はおそらく意図的で、流行した風俗を取り込みながらつづているタフなミームとしてのフラメンコを表していたのだろう。
実際のベテランシンガーを揃えた甲斐あって、みなさんいい声してらっしゃった。
さすがトニー・ガトリフ。これも面白かったぜ！
