mhさんの映画レビュー・感想・評価

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ボーイズ・イン・ザ・ボート ~若者たちが託した夢(2023年製作の映画)

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ベルリン・オリンピックのボート競技で金メダルを獲得したのはアメリカ・ワシントン大学の二軍チームだったという史実が元ネタのスポーツもの。
俳優さんも、コスチュームデザインも、話の展開もすべてがスマート。
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ウィンター・ウォー(2017年製作の映画)

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WW2ヨーロッパ西部戦線におけるノルトヴェント作戦もしくはコルマールの戦いあたりをモチーフにしたフランスの戦争映画。
・寒冷地の戦闘。
・アルザス解放につながる戦果。
・兄弟が敵同士となって戦う様子。
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浅草の灯 踊子物語(1964年製作の映画)

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浅草オペラまわりの群像劇。
関東大震災が起こる前のムーブメント――浅草オペラの隆盛は、現代のアイドルグループや地下アイドルの流行にそっくりといわれても、ピンとこない=イメージがわかないこともあって再生
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ブラドック/地獄のヒーロー3(1988年製作の映画)

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シリーズ三作目。
主人公は固定だけど話はつながっておらず、それぞれパラレルワールドになっている。
ベトナムには米兵との間にできた孤児たちがいっぱいいるという社会問題から着想を得たそうなんだけど、なにぶ
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愛と死をみつめて(1964年製作の映画)

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当時のベストセラーの映画化で難病もの。
構成がひねってあったり、設定に凝ってたりといった難病ものの中にあって、あまりにも直球ストライクの展開で話には感動できる反面、映画としてはあまり面白くない。
とは
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遠い夜明け(1987年製作の映画)

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反アパルトヘイト活動家スティーブビゴの半生と、その伝記を出版したイギリスのジャーナリストが題材。
時代的にはマンデラさんがまだ捕まってない頃に作られた映画で、世界的な世論(アパルトヘイト反対)の形成に
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カンサス騎兵隊(1940年製作の映画)

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テロリストの鎮圧で活躍したアメリカ陸軍士官学校卒の面々という体裁なんだけど、
・南北戦争がはじまるきっかけになった出来事のひとつ。
・南軍よりのスタンス。
・敵は奴隷解放運動のリーダー。
と、現代にい
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佳人(1958年製作の映画)

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純愛ものかと思いきや、とある美しい女性の一生というコンセプトだった。
・足が悪く自分では動けない主人公。
・ヒロイン(男のほう)は出兵、復員。
・主人公が受けている変態行為(セクハラ)と、日常的なパワ
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絶唱(1958年製作の映画)

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いろいろつめこんであるけど表面的には王道の純愛ものになっているすごい文芸作品。
原作者は貧農の出で、共産主義系の運動もしていたひと(全日本無産者芸術連盟にいたとのこと)。そんな背景をしっていると、この
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男の闘い(1969年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

1876 年アメリカ・ペンシルベニア州の炭鉱が舞台。アイルランド系アメリカ人で構成された秘密結社による原始的な労働運動が題材。
原題は「モリー・マグワイアズ」でそれが秘密結社の名前。たぶんこれはツイン
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失はれた地平線(1937年製作の映画)

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理想郷にたどり着いてしまった一行を追っかけた冒険映画。
混迷極める中国から飛行機を使って待避すると、機はハイジャックされており山奥に墜落する。
助けられた先は、寿命は伸びるし、悪い心は清められる不思議
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薔薇は何故紅い/薔薇はなぜ紅い(1935年製作の映画)

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「風と共に去りぬ」よりも前に、南北戦争の南軍視点をやってのけた戦争映画。
南軍側の富農だけど、奴隷たちとの関係が良好という特殊な条件で、南北戦争以前の平和な世界をノスタルジックに描いている。
それが戦
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悪魔の発明(1957年製作の映画)

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1958年にアニメーションと実写のハイブリッドを実現しただけでもすごいのに、さらに独創的な世界観を乗っけることに成功したカレル・ゼマンの代表作。
話がシンプルで画面に集中できてよかったけど、これは、シ
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執炎(1964年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

日活の文芸路線を代表するかのような一作で終始ビビりまくってた。
足の切断を免れて奇跡的に回復したら、そのせいでまた徴兵に取られるという展開が素晴らしい。(これはまあ原作の話だけど)戦争の理不尽さ、残酷
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愛と死の記録(1966年製作の映画)

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大ヒットした難病もの「愛と死をみつめて(1964)」と同じ路線を狙った日活のメロドラマ。
・今度の病気は原爆病と、社会派要素あり。
・吉永小百合は続投。
・浜田光夫アウト、渡哲也イン。
・蔵原惟繕監督
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エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993年製作の映画)

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南北戦争が終わってすぐくらいのアメリカ・ニューヨークの上流階級社会を舞台にしたラブロマンス。
ヨーロッパの上流階級との関係が密接であることとか、ゴシップ・スキャンダルが命取りであることとか、男女間の純
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筑波海軍航空隊(2015年製作の映画)

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神風特別航空隊の生き残りのかたに2015年ごろ取材したドキュメンタリー。
インタビューを受けてるみなさんは90歳を越えていたので、いまはもう鬼籍に入られているかもしれない。
彼らはエリート中のエリート
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活きる(1994年製作の映画)

5.0

国共内戦から文化大革命まで切り取った中国の庶民のドラマ。
最近よくある中国の近現代史をノワールフィルム風味に塗り替えようという気風とはかけ離れた、あくまでリアルな地方描写が素晴らしい。
高等遊民が身代
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青春を返せ(1963年製作の映画)

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冤罪を題材にしたメロドラマ。
途中までは倒叙ものミステリーとして楽しめるものの、終盤になったら完全にメロドラマになって急速につまらなくなる。
病院で死にそうになってるところをBGMで盛り上げるタイプの
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キューブリックに愛された男(2016年製作の映画)

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キューブリックに三十年仕えた運転手兼雑用係のイタリア人へのインタビュードキュメンタリーを通してスタンリー・キューブリックに迫るという企画。
ひとの良さそうなインタビューイごしに、キューブリックのパワフ
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嵐来たり去る(1967年製作の映画)

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日活の任侠もの✕裕次郎もの。
東映の任侠ものはけっこう履修済みながら、ほかの映画会社のそれはほとんど見てないという偏った状態で臨んだ結果、めちゃ良かった。
・忖度抜きでかっこいいこの頃の裕次郎。
・東
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野のユリ(1963年製作の映画)

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宗教が切り口のハートフルコメデイ。
時代は明確になってないけど、ヒトラーについての言及もある。おそらく公開当時の現代が舞台。教会を建てようとしているドイツからの移民と、それに付き合うひとのいい青年の交
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ウォー・ドッグス(2016年製作の映画)

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「ロード・オブ・ウォー(2005)」とか「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007)」とか、それ系統の戦争映画の変わり種。
インディペンデント系の武器商人で成り上がって、ゆくゆく大事件を起こす実話を
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戦争と人間 第三部 完結篇(1973年製作の映画)

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路線変更と予算削減でとうとうメロドラマになってしまったんだけど、その結果ちょっと持ち直した三部作の完結編。
関東軍が中国で行った虐殺のくだりなど、北朝鮮のプロパガンダ映画も真っ青の極悪非道っぷりで、リ
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1944 サイパン攻防戦80年目の真実(2022年製作の映画)

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なんでサイパン島の戦いを題材にしたのか意味がわからないB級戦争映画。
スタッフたちは調べたら死ぬ病にかかってるとしか思えないほど、ミリタリー考証、歴史考証がてきとう。
日本兵が攻める側、残党狩りをして
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戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河(1971年製作の映画)

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4000本記念ということで大物戦争映画の視聴を再開。
財閥サイドと庶民サイド、それぞれの戦争を描いていた第一部からいってん、第二部は完全なる赤色ドラマ。原作五味川純平だし監督山本薩夫なのでまあそりゃそ
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プロフェッショナル(1966年製作の映画)

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「七人の侍」タイプのエンタメ西部劇。
メキシコ革命に失敗した連中という設定が物語を貫いてる。
さらわれた妻を助け出すために雇われた主人公たちなんだけど、自分の夫から反政府運動の活動資金をひきだそうとす
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if もしも・・・(1968年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

イギリスのパブリックスクールが舞台の青春群像劇。
・伝統のある全寮制学校。
・全寮制学校の日常生活。
・上級生/下級生との関係。
・マルコム・マクダウェル(デビュー作!)の魅力。
こんなあたりだけでも
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終身犯(1962年製作の映画)

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有名な終身犯ロバート・ストラウドの伝記映画。
ただたんに犯罪者が刑務所でどう過ごしたのかという話だと思って見てたら、途中でサクセスストーリーに変わってきて目が離せなくなった。
この手の、「転がりが良く
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ふたりの女(1960年製作の映画)

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ローマ在住の母娘がWW2イタリア戦線の趨勢に翻弄されるお話。
ムッソリーニが逮捕されたとか、黒シャツ隊の退場とか、ドイツ軍がでてくるのとか、時代背景を知らないと面食らいそうな展開。
激おこな女性主人公
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

昨日アカデミー脚色賞をとったと聞いて。
アメリカにおける黒人差別(優遇?)を題材にしたシニカルコメディ。
喜怒哀楽に彩られた知的で重層的な生活をしている黒人の周辺を描くとともに、それに対比させるように
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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癖の強いフランスのアニメ映画。
このデザイン、配色、ストーリー展開にハマるひとがいるのはわかるけど、それと同じ理由で個人的にハマらなかった。理由などない。
寓話的でもなく、キモカワというわけではなく、
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恐怖への旅(1943年製作の映画)

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政情不安が当たり前の時代のスパイ・アクションそしてノワール・フィルム。
暗殺者の身支度からという、作劇のセオリー(ファーストカットは主人公)をはずしてくる堂々とした展開で、巻き込まれ型のミステリーが続
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

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Amazonprimeの無料視聴がはじまってみんなが一斉に見だして面白そうにしてたので我慢できずに視聴。
これはめちゃおもろいw
ネタ元はフィンランドの伝説的スナイパー・シモヘイヘとのことでググると、
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プライドと偏見(2005年製作の映画)

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恋愛もののビッグタイトル。
原作含め、なにも知らないでみたのに、こいつとこいつがゆくゆくくっつくパターンねはいはいとロマコメのメソッドがそのまま通用したのでびっくりした。
童貞っぽいムーブかましてくる
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みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

テーマ的にも作劇的にも尖ってるラブストーリー。
説明なしで、いきなり駆け落ちからスタート。だんだん事情がわかってくる。
・女性は綱渡りパフォーマー。
・男のほうに家庭があること。
・脱走兵は処罰される
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