タイトルからは到底、想像もできないくらい暗い映画だった。ニュージーランドのマオリ族は、代々男の子を族長とする伝統を守ってきた。ところがパイケアの双子の弟が亡くなり、残された女の子のパイケアは家父長制の祖父から祝福されず。望まれない子として泣いて苦しむパイケアを延々と見ることになる。つらい。
伝統を継ぐ気があるのに跡継ぎとして認められない。男尊女卑が強く残り、祖父からはあんな子はいらん、と言われる始末。もう美しい青い海も暗ーく見えてしまう。
マオリ族といえばハカダンス。古代から狩猟民族として生きてきたからこそ、力のある男性が強さを誇示することには意味があったのでしょう。でもここまでパイケアを追い詰めるのを見ていると、伝統も時代に合わせてアップデートする大切さが見えてくる。マオリ族の男の子たちに伝統を教える集会所の建築がマオリ族の伝統工芸でとてもカッコ良い。
健気でいじらしいパイケアを応援せずにはいられない。最後にカタルシスがあり、青い海が美しく見える。良かった😢