HidekiIshimoto

生きものの記録のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

生きものの記録(1955年製作の映画)
5.0
地球温暖化研究の政府間機構IPCCの第5次評価報告はコロナ騒動がごっこに思える戦慄の内容だった。その事を誰かに話そうとする度に頭を掠めていたこの映画。初めて観た20年ほど前はなんて面白い映画だろうと思い、2度目に観た時はえ!この時三船敏郎35歳!?と驚愕し、5次評価報告を知った今観ると最後の「嗚呼、地球が燃えとる!」で泣くしかない。核戦争危機をこれまで一応は回避してきた人類は、同時に同様規模の危機をずるずると楽観してここまで来たわけで、他にも楽観と観ないフリでやり過ごしてる危機はごろごろあるわけで、それらを本気でわめき散らせばこの凄まじい三船爺と同じ末路になりそうなわけで、正気も正義も幸福も尺度は常に多数派の側にしかない人類を「生きもの」と突き放すタイトルからしてほんとに素晴らしい。