黒澤明作品。
水爆、原爆を恐れてブラジルへ逃げようとする男とそれに反対する家族の様子から核戦争の危険を訴える社会派の作品
三船敏郎が60代の老人を演じるが、性格は頑固ながらも家族を想っている他人軸の人物だと感じました。そのなかで誰にも水爆の恐ろしさが伝わらず、苦悩していく。
この作品は「ドントルックアップ」に似ています。世界の危機を必死で説いているのに周囲は誰も聞いてくれず、変人扱いされる。しかし「生きものの記録」はクローズアップで悲劇的に描いている。
さらにその老人の言葉を理解し、自分たちがおかしいのではないかと疑念を持つものも出始める。
「狂っているのはあの老人なのか…それとも我々なのか…。」
その答えは30年後のソ連、そして50年後の日本で分かる…。
そして、現在の世の中、戦争が起きているこの地球で我々はのうのうと暮らしている…。
いつか「地球が燃える」日が来るかもしれない。それぐらいメッセージが強く、核戦争というものをいち早く描いた作品でした。