YOK

9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜のYOKのレビュー・感想・評価

3.0
多分前に観たはずなんだけど、琴線に触れなかったのか全く何も覚えていないので再視聴。

■あらすじ @wiki参照
人類が滅亡し、終末世界と化した地球で1体の人形・9が目覚める。9は声が出せずにいたが、「仲間やで!」と声をかけてきた人形・2により喋れるようになる。しかし2は「ビースト」に連れ去られてしまう。困った9がその後出会った1、5、6、8に「2を助けようや!仲間なんや!」と訴えるも1からの反対にあう。それならばと9は5と2を助けるため旅に出る。

なんで人類滅亡したん?番号を振られた人形たちは何をするために生を与えられたの?ってのが気になる点である映画。

記憶ではこの人形たち、人間くらい大きいイメージがあったんだけど、めちゃくちゃ小さかった。手のひらだいくらいの大きさ。2が喋れないのほんの最初だけで、すぐ話せるようになる。

80分というアニメ作品の中でも短い方なんだけども、も元になった「9」って作品があるらしくこちらが短編とのこと。なので80分でもだいぶ肉付けした作品なんだろうな。元を知らんのでなんとも言えんが。

なんで人形たちの大きさを勘違いしたかなー?ってのに関しては、人形たちの行く先々がちゃんと人形サイズだったからかも。かつては人間がいた世界ではあるものの、教会や三本の煙突の工場なんかは人形サイズ。もちろん人間サイズの遺品もあるものの、なんかそこまでって感じだった。

端的にテーマを言うと「人間のせい」
人間が作ったマシンを使って軍事行動しまくった結果、マシンが人間に反乱を起こし人間滅亡。そんな世界に人間都合で産み落とされた人形達がモンスターやマシンへの脅威と戦いながらも生きてる…って、何してんだよもう!

3Dアニメーションでも全然問題ないんだけど、個人的にはティム・バートン監督でストップモーション・アニメーションで観てみたいなぁってぼんやり思った。ほの暗い世界観に合いそうだし、ティム・バートンらしいコミカルさが加わったらより楽しくなりそうな気が。

ストーリーが至って真面目なのと、主人公たち人形の見た目が可愛いタイプでは無いので子供向けって言うよりは大人向け。でも大人が観るには内容が少し物足りないというかなんというか。めちゃくちゃ楽しいー!って感じとは違う。もう少しコメディみあっても良かったかな。

荒廃したメカメカしい世界観は終末って感じがってとても良かったし、一貫して人間が出てこず人形達がモンスターらと戦うのも良かった。背景や世界観作り凄い。ずっと不気味で可愛いを徹底的に排除してる感じ。

便利と技術力にあぐらをかいた人間が、己の作りだしたメカやAIに氾濫されて…って展開はよくあるものの、未来に希望を繋ぐためにと人形を作り出してってのは新しかった気はする。メカやAIの中から反乱者が…とか、内々で仲間割れしてドンパチとかはあるもんな。

にしてもこの人形たち高性能なー。生命エネルギーを転用してるとはいえ、めちゃくちゃ動くし感情も知恵もあって個性もある。すごい。

人形の敵としてされるマシンも結局人間のせいで生まれ暴走してる被害者なんだよなと思うと、なんかマシンすまんって気持ちになる。マシンを作り出した博士が悪いんじゃなくて、それを悪用した軍(ファシストみ強め)が圧倒的に悪。

観てる途中で若干飽きもしたけどなんだかんだで最後まで観れた。双子が可愛かった。
YOK

YOK