lapin2004

映画 Yes!プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースデイ♪のlapin2004のネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

幼児向け作品とはいえストーリーや演出が雑すぎる。キスを伏線にしていたり描写がハードだったりするが、対象年齢を高く設定しているならなおさらだ。物語の導入、敵の目的、敵に仕方なく従っていたチョコラの葛藤・改心がわかりにくい。前作「鏡の国」はこの辺りが自然で明快だった。

敵キャラには成人男性が多く、ファンタジー感が薄く生々し過ぎる。敵に操られたとはいえ仲間であるココが陰湿な言葉を浴びせながらデカい剣で斬り殺そうとしてきたり(前作は偽物のココで、騙そうとするだけだった)、バトルで「女の子は力が弱いね〜」などとニヤニヤ笑いながら少女を殴打する様は、正直胸糞悪い。ラスボスもチョビヒゲ半裸でデカい剣を振り回すオールバックの中年男性。ラストのちょっとだけ改心して消滅、殺したくはなかった…という面持ちのドリーム。「おいしいお菓子を食べたい」という目的の「ムシバーン」の最期がこれ?その直後にはみんなで楽しくパーティーしてるし。

あと「決意を新たにしたり涙を流したりすると理由もなく状況が打開される」という展開が多過ぎる。ただでさえミラクルライトによる観客の応援という「反則展開」があるんだから、せめてこのパターンはクライマックスで一回程度に留めるべきではないか。子供に観せる親の立場で言えば、やはりヒーローは知恵と勇気、そして努力によって困難を打開して欲しい。

現在に至るまで試行錯誤を繰り返しながら続いているこのシリーズ。制作サイドのチャレンジ精神の裏返しだとは思うが、問題を多く感じる作品だ。

同時上映の短編作品が良いので+0.5ポイント。
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