SHIN

狼の挽歌のSHINのレビュー・感想・評価

狼の挽歌(1970年製作の映画)
3.7
ブロンソンの個性が存分に生かされた、隠れた名作だと思う。

西部劇も好きだけど、同時代に作られた現代劇も好きで、その理由はセットではないリアルな時代の空気が垣間見えるから。この作品でも車や街並み、インテリアなど、リアルな当時の文化が感じられる。

一方、古い現代劇のデメリットとして、今見るとストーリーがイマイチなものがしばしばあるが、この作品では多少の古さはあるものの、きちんとストーリーが練られており、登場人物の疑心暗鬼な心情の描き方もうまいし、ヴァネッサが本当に悪女なのかどうなのか、観ている側も最後までわからないし、最後まで観ても意見が分かれるような内容になっている。個人的にはズルいとは思うが根っから悪女には思えなかった。
SHIN

SHIN