Scriabin

グリードのScriabinのレビュー・感想・評価

グリード(1924年製作の映画)
4.2
「こんな結婚はいやだ 〜お金編」
極端なだけで、実はよくある結婚の光景。お金にうるさい妻たちをデフォルメしてgreed と名付けた。

○アップの使用がかなり多く、インサートのリズムは天才的。息子を案じる母の顔、握手する手、女の白い顔、指輪を持つ手、握り拳、背伸びする足…ブレッソンのアップとも比べてみたい。ラルジャンも見ないと。

○キャラ付けが最高だった。Marcusの親しみやすい所作は本当に好き。現代映画でこれをできる人はいるのだろうか?出っ歯メガネの妹、テディばりのお父さん、ドイツ系のお母さん。

○粗暴ですぐに手が出てしまうが動物と神を愛する心優しいMcTeagueに、Trinaの拝金主義と、Marcusの卑しさが乗り移っていく。鳥、猫、蛇を使った代理表象は伝統的だが明快。

列車のスピードを感情の昂りと重ね合わせるのはよく見る表現だが美しい。
Scriabin

Scriabin