まいこ

グリードのまいこのレビュー・感想・評価

グリード(1924年製作の映画)
3.9
光り輝く金貨に魅せられた男と
貪欲に支配された妻
妥協や虚飾を許さないリアリズム完全主義

撮影フィルムは85時間。オリジナル版として8時間に編集されたもの(12人しかみることが出来なかった)のその後約2時間半に編集し直される。原作はフランク・ノリスの小説『死の谷 マクティーグ』。「自分ではどうにも出来ない、人間の運命は遺伝と環境によって決定づけられる」という自然主義文学の理念に基づき主人公が描かれている。また、実際に起こった殺人事件から想を得ている。

鳥籠と猫
TSUTAYAで永遠と借りられていたので円盤購入。淀川さんが冒頭でほとんど全てを語られていて、なおかつジャケ裏にも結末まで書かれていたのでなるべく避けるように……。
一目惚れした男と友達とその彼女。主人公は友達の彼女と平和的略奪婚したのはいいものの、宝くじに当たり、彼女は段々ゴールドに取り憑かれてゆき…という現代にも通づるお話。すまし顔のトリナが大金を目の前に、ゴラムさながらな雰囲気を纏い出す。お顔がアップされる度に印象が変わる。ザス・ピッツ凄い。
そして、最大の見どころといっても過言ではないデスヴァレー。夫婦の喧嘩からそんなところまで、と壮大な景色と残酷な状況の中、夢も希望も消え失せるラストは素晴らしい。

デスヴァレーの撮影期間中(2ヶ月)は最高気温51℃だったそうで熱中症にかかる人が絶えず、43人中14人が病気になるという過酷さ。
先日、16日のデスヴァレーの日中の気温が54.4℃まで上昇。1913年に同じ場所で観測された56.7℃に次いで世界2番目の最高気温となる可能性があるということで、このロケの恐ろしさが😱
カナリアとかロバ(?)も暑さでバテなかったのだろうか……🤔
チキン食べたい。

個人的に軽快な劇伴がとても好みでした。

Erich von Stroheim’s 1924 silent film “Greed” is “a lost work of absolute genius,” according to Nolan. Von Stroheim famously shot 85 hours of footage for the drama, which follows three friends come undone by greed after winning a lottery. 
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