ブロークバック・マウンテンの食道のネタバレレビュー・内容・結末

オチを知ってしまったことにより敬遠し続け早17年。この度やっと見る決意をした。
若い時分に見ていたら、ジャックのことが可哀想で可哀想で、きっと視聴後の感想は「イニスの馬鹿タレ！！」に占められてしまっただろうことは想像に難く無い。
が、そこそこに年齢を重ね、世の中の酸いも甘いもまあまあ噛み分けられる年齢になった今となっては、ジャックだけではなく登場人物のほぼ全員が悲哀に満ちているということがよくわかった。
ゲイなのを隠して女と結婚するなんて酷い、という向きも当然あろうが、そこには彼らがそうせざるを得なかったのだ。そうせざるを得ない土地柄だったし時代だった。
全員被害者でもあり加害者でもあり。
はぁ悲しい。
つまり、実によい映画だった。
この映画の全ては、重なった二人のシャツをイニスが抱きしめるシーンに詰まっていた。
若い時に見ないで、この歳までとっといて良かった。

だがもうLGBT作品のﾀﾋオチはお腹いっぱいだし、あと秘密の恋なのであればもっと周囲の視線に気をつけながらキスしようぜ！と思わずにいられなかった。ゲイバレの速度が史上最速だった（イニスの嫁）。