ナツミオ

アウトローのナツミオのレビュー・感想・評価

アウトロー(1976年製作の映画)
4.0
WOWOW on demand鑑賞

 “先に撃たせる それだけの義理がある”

過去鑑賞も未レビュー、再鑑賞。
久々に観たが、イーストウッドがまだ若い頃の渋いウェスタンの名作。
ロックとの馴れ初め作品。
お互い惚れたのもわかる気が……⁈
過去スコア3.9より4.0へアップ♪

後に「許されざる者(1992)」で究極の西部劇を放つクリント・イーストウッドが主演&監督。
南北戦争後の荒野をさすらう無法者を主人公にしたイーストウッドならではの活劇。

原題 『The Outlaw Josey Wales』

1976年米作品136分
監督 クリント・イーストウッド
製作 ロバート・デイリー
脚本 フィリップ・カウフマン ソニア・チャーナス
撮影 ブルース・サーティーズ
音楽 ジェリー・フィールディング
出演 クリント・イーストウッド ソンドラ・ロック チーフ・ダン・ジョージ ビル・マッキニー サム・ボトムズ ジョン・ヴァーノン 

字幕翻訳者 高瀬鎮夫

(WOWOW番組内容より)
南北戦争中、米南部で農民をしていたジョージー・ウェールズは北軍のゲリラに妻子を殺された上、北軍から賞金を懸けられるお尋ね者となってしまったが、復讐の鬼と化したジョージーは、戦後も北軍を敵に回しながら、孤独な復讐の旅を続けていた。その道中、コマンチェロに襲われた白人娘ローラや、ネイティブの老夫婦と知り合ったジョージーは彼らと協力し合いながら、ある土地で定住生活を始めようとするが……。

(WOWOW解説より)
西部劇のヒーローというと保安官や軍人が多いが、イーストウッドが好むのは、やはり自身にとっても一大転機となったマカロニウエスタン以降なのか、本作のように放浪を続ける、はみだし者のキャラクターだ。本作でもイーストウッドは、権力に屈することなく、弱者のために戦う男の中の男を格好よく熱演。
主人公が7丁の銃を持つ設定も、マカロニウエスタン特有のギミック重視の姿勢を連想させて実に興味深い。
今となっては、脚本家のひとりが「ライトスタッフ」の名監督、フィリップ・カウフマンというのも貴重な再発見。

アメリカ建国200年記念として製作された西部劇。
南北戦争時代。北軍に妻子を殺された男の復讐の旅を描く。
第49回アカデミー賞では作曲賞にノミネート。

一風変わったウェスタン。
主人公の復讐の旅に同行する仲間たちが面白い〜♪♪♪
本作も“修正主義西部劇”の重要な作品の一つに挙げられる作品というのも頷ける。

脚本は、私の超お気に入りの『ライトスタッフ』(1983)の監督フィリップ・カウフマンが参加しているのも今回初めて知った〜(今さら)


↓ 以下ネタバレあり

<印象のシーン>
【南北戦争時代の非情なゲリラ戦】
・女子供も襲うゲリラ部隊の非情‼️

冒頭、主人公ジョージーの息子役で登場するのはイーストウッドの実息だそう⁈
後にジャズ・ミュージシャンとして活動を始めるカイル・イーストウッド。

【盛りだくさんの銃器】
・西部劇で使われる銃器は詳しく無いが、マニアが楽しめそうな色々な銃が出てましたネ〜

北軍”カンサス・レッドレッグ“拠点を一人で乗り込むジョージー・ウェールズ(イーストウッド)が敵のガトリング銃(機関銃)でバッタバッタ‼️

ウェールズの使用する拳銃も銃身が長く重そう⁈
まるでこの時代のハリー・キャラハンの愛銃、”44マグナム”⁇

渡し船のロープを狙い撃つライフル銃も特徴的で凄そう⁇

ウェールズの首を狙う賞金稼ぎたちをことごとく片付ける、惚れ惚れする腕前♪♪♪

交易所で賞金稼ぎ2人に囲まれ危機一髪からの2丁拳銃サバキはどうやって⁇
ここは2回観た‼️
速すぎてわからん…

マカロニ・ウェスタンで凱旋帰国し、スターとなったイーストウッドらしく、終盤の”カンサス・レッドレッグス“一味との対決。何挺の銃を持っている⁇

【風変わりな旅の道連れ⁇】
・年老いたチェロキー族のローン・ウェイティ(チーフ・ダン・ジョージ)
 錆びついた昔の知恵を絞り出し活躍

・シャイアン族の少女リトル・ムーンライト(ジェラルディン・キームス)
 虐待されていた交易所から助け出し、愛想は無いがジョージーを信頼し付いていく。ローンに銃を向けられたジョージーのピンチを救うシーンは、結構笑える♪

・インディアンへの武器密売で稼いでいるならず者の群れコマンチェロスに、襲われた2人の女性を助け出す。
美人の孫娘ローラ・リー(ソンドラ・ロック)
ソンドラが初々しくも体を張ったシーン。
多分、イーストウッドが惹かれたのもわかる気が……

ローラの祖母サラ(ポーラ・トルーマン)
口の達者な婆さんだったが、農場へ着いてから意外な活躍⁈

その他、酒場の面々も一癖ありそうな面々で、終盤にこちらも活躍〜‼️

【コマンチ族酋長との対峙】
テン・ベアーズ(ウィル・サンプソン)との決着が避けられない事態に、死を覚悟して単身乗り込むジョージーとテン・ベアーズの対峙。
2人の話し合いは一触即発⁇
血と血でかわす血の儀式が熱い♪♪♪

【最後に因縁の対決⁇】
・終盤のヒリヒリする対峙。
最後の対決⁇
ジョージーとフレッチャー(ジョン・ヴァーノン)の握手、2度と会わないことを知りつつ、2人の想いに胸熱〜‼️‼️

 ”メキシコへ行って探す”

 ”会えたら?“

 “先に撃たせる それだけの義理がある”



【劇伴】
しばらく脳内再生されること必至な楽曲🎵
本作でアカデミー賞ノミネートされた、ジョン・フィールディングの口笛の入るテーマ曲とテンポ良いマーチは耳に残る。
久し振りの鑑賞も、この曲はしっかり覚えていた🎵

結構、60〜70年代の記憶に残る作品を手がけていたんですネ〜
『アルカトラズからの脱出』(1979)
『ガントレット』 (1977)
『がんばれ!ベアーズ』(1976)
『ワイルドバンチ』(1969)
他多数(忘備録へ)


イーストウッド主演・監督作品の中でも重要な位置付けの作品でしょう!

1996年にはアメリカ議会図書館に永久保存するフィルムに選出。



【忘備録】ネタバレあり
(登場人物・キャスト)
<農夫ゲリラ部隊(南軍)>
・ジョージー・ウェールズ Josey_Wales
妻と息子リルを持つ農夫
- (演) クリント・イーストウッド

・フレッチャー Fletcher
南軍ゲリラ部隊リーダー
- (演) ジョン・ヴァーノン

・アンダースン
・ウィリアム

・ジェイミー
南軍の若者。
負傷したところをジョージーに助けられる
- (演) サム・ボトムズ
誰かに似ていると思ったら…
俳優のティモシー・ボトムズの弟⁈

<北軍側の人々>
・ジェイムズ・H・レーン
上院議員
- (演) フランク・スコフィールド

・テリル大尉 Terrill
北軍”カンサス・レッドレッグ“(北軍秘密軍事組織)大尉、リーダー
- (演) ビル・マッキニー

<クリントネーションの交易所>
・ズーキー 
ジョージに写真を売りつける店主
酒売りの親父

<逃避行中に出会う人々>
・”ブラッディ”・ビル・アンダーソン 
孤高の賞金稼ぎ

・ローン・ワティ Lone_Watie
白髪のネイティブ。
チェルシー族
- (演) チーフ・ダン・ジョージ

・アルとヨーク 
酒場のワル二人 
ムーンライトを襲う

・リトル・ムーンライト Little_Moonlight
ナバホ族の女
ワティをチェロキー族酋長と思っている
- (演) ジェラルディン・キームス

・サラ Grandma_Sarah
夫ダニエルズと娘ローラを連れた老婦。
- (演) ポーラ・トルーマン

・ローラ・リー Laura_Lee
セーラの娘
- (演) ソンドラ・ロック
本作後、イーストウッドと愛人関係に……
以降、多数のイーストウッド作品に出演。

<サンタリオ(酒も無い寂れた町)>
・チャト
- (演) ジョン・ヴェロス

・トラヴィス・コッブ
- (演) シェブ・ウーリー

・テンスポット
- (演) ロイヤル・ダノ

・ローズ
酒場の歌手
- (演) ジョイス・ジェイムソン

・テン・ベアーズ
コマンチの酋長
- (演) ウィル・サンプソン

・賞金稼ぎ二人組 
撃たれる者、逃げて通報する者

・パーシー・ロング Carpetbagger
- (演) ウッドロウ・パーフレイ

・ケリー
- (演) マット・クラーク

・シム・カーステアーズ
- (演) ウィリアム・オコンネル

・グラニー・ホーキンス
- (演) マドリン・テイラー・ホームズ

・シリル・E・フォアボー
- (演) ジョン・クエイド

・店主
- (演) バック・カルタリアン


【ジェリー・フィールディング音楽作品一覧】

アウトロー (1976年)本作
熱い賭け
アルカトラズからの脱出


ガルシアの首
ガントレット (1977年)
がんばれ!ベアーズ


キラー・エリート (1975年)


原子力潜水艦浮上せず


ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦
ジョニーは戦場へ行った


スコルピオ


ダーティハリー3
タッチダウン (映画)


追跡者 (1970年)


デモン・シード


墓場の館


ポセイドン・アドベンチャー2


メカニック (1972年)


野望の系列


妖精たちの森


ワイルドバンチ (映画)
わらの犬
(以上、Wikipediaより)
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