スローモーション男

ヘアーのスローモーション男のレビュー・感想・評価

ヘアー(1979年製作の映画)
4.5
 ミロス・フォアマン監督によるロックンロール・ミュージカル!
 
 ベトナム戦争の出征兵として兵役へと向かうため、田舎からニューヨークの大都会へ来たクロード。そこで青年バーガー率いるヒッピー集団と親交を深めていく。

全編明るく楽しいミュージカル映画となっており、体がリズムに乗ってしまいました!

またクロードが恋する上流階級の女性との恋模様やヒッピー仲間たちの関係なども面白く観れました。

そして、一番の見所はベトナム戦争を批判するとこにあります。
『ヘアー』という髪を伸ばして、会社に就職せずにラブアンドピースを唱える。
それも自由を歌うロックに乗せて。
また、監督のミロス・フォアマンは独裁国家だったチェコスロバキアの出身であり、亡命してきた身であるためこの物語は反戦のメッセージが強くあります。
それは彼の『カッコーの巣の上で』や『ラリーフリント』でも描かれた自由を手にしようとする人々の姿です。

しかし、この映画の結末は非常に悲しい結果で終わってしまいます。いままでのフォアマン作品とは違ったのです。
それでもメッセージや当時の社会性を皮肉にした非常に素晴らしい映画でした!