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女の一生
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『女の一生』に投稿された感想・評価

溝口健二&増村保造映画祭にて

これまで京マチ子といえば美しいがキツくて怖くて恐ろしいというイメージだったが(中学のときに見たドラマ版「犬神家の一族」の影響大!)本作の京マチ子はもちろん強いのだが男勝りに頑張れば頑張るほど空回りでひたすら哀しい女性の人生を印象的に演じていて初めて好きになった。

増村保造もどちらかといえば「妻は告白する」や「清作の妻」のように自分の情動のままに突っ走る女性を描く作家と思われがちだが、本作では自己の内心より義理や家というものを優先する主人公の哀しいが最後はやや前向きな「女の一生」を描いていており「美貌に罪あり」などとともにこの系列の作品でも素晴らしい作品を残していることが確認できた。

そしてなんといっても登場人物たちが感情をストレートにぶつけ合って逃げ場がなくなっていく感じとかまさに増村の映画で、そこが見ていて苦しいけど嬉しかった。

「偽大学生」と並んでなんとかソフト化してほしい一本。
小

小の感想・評価

3.8
角川シネマ新宿で開催の溝口健二・増村保造映画祭─変貌する女たち─にて鑑賞。

愛する男性と、家を守って欲しいという大恩人の頼みのどちらを取るかの選択を迫られた女性の物語。あなたならどちらを選ぶだろうか。

明治38年、日露戦争の旅順陥落の日、両親を失い叔父夫婦に引き取られていた16歳の布引けいは、家を追い出される。しばらく街をさまよっていると、一軒の家から賑やかな歌声が聞こえてきた。けいはその家のレンガ造りの門をくぐってしまう。

その家、堤家は中国との貿易で財を成している戦争成金。女主人のしずは、けいを追い返そうとするが、次男の栄二が連れ戻し、引き取ることになる。

5年後、けいは美しく成長し、栄二とお互い惹かれあう仲になるだけでなく、堤家の家業になくてはならない存在となる。そんなある日、しずは、けいを呼び出し、長男の伸太郎の嫁となり堤家を守るよう、半ば命令する。

しずに激しく抗議した栄二は、家を追い出されることとなり、けいに一緒に中国に行こうと持ち掛ける。愛と恩のはざまで葛藤するけいの決断はいかに…。

(以下、けいの葛藤の結果についての言及ありなので、未見の方はスルーが吉です。)

個人的には、ドラマは愛を選ぶことの方が多いように思うけど、けいは恩を選び、伸太郎と結婚し、家を守ることに決める。けいは栄二に、しずから受けた恩の大きさを強調していたけれど、実は恩を選んだわけではないと思う。けいが選んだものは家なのだ。家と結婚したのだ(伸太郎からそう言われていたかもしれない)。

両親を亡くし、叔父の家からも追い出されたけいは、帰る場所のない根無し草。貧乏の辛さを語っていたことから想像すると、帰る場所がないことは彼女にとって大きなトラウマとなっているのだろうと思う。とのトラウマを癒すことができるのは、栄二の愛ではなく、帰る場所なのだ。

堤家にとってけいは所詮他人。実家から勘当された栄二と一緒にいても、いざというときに帰る場所はない。一方で、伸太郎と結婚、即ち堤家に「入籍」すれば堤家はけいの家となり、帰る場所となる。しかも、商才のない夫に代わって、家業はけいが取り仕切る。愛よりも欲しいものが、まさに自分の手の中に…。

しずの頼みは願ったり叶ったり。即答しなかったのは、そういう自分であることを認識する時間が必要なためか、櫛を折るためかのどちらかですな、きっと。

この後の彼女の行動は堤家を守るという目的で一貫していて、どんな状況に陥っても堤家を捨てない。ラストシーンはとても象徴的で、彼女にとって、帰る場所というのがとても重要であることが良くわかる。

しかし、この物語の『女の一生』というタイトルはどうなのかしら。女性は男性よりも帰る場所を強く求める特性があるのかを考えてみたけれど、思いつかなかった。『けいの一生』か『ある女の一生』なら文句なしなのだけれど…。
青二歳

青二歳の感想・評価

3.9
モーパッサンでなく森本薫戯曲"女の一生"を増村保造が映画化。仕事に全てを捧げ人の変わったような京マチ子。恋人..夫..養家全ての人からも理解を得られず彼女は何を得るのか。原作の問題か増村保造にしてはエグさ不足の手応え。十分エグいけれど期待値上がってしまうので。明治末から終戦までの駆け足だからコンパクトに詰めた感は否めず。でもやっぱりうまい映画。人物以外の使い方撮り方が好き。
…男っ気のなかった京マチ子と思えば、この映画はまた別の見方ができるな…なんて。

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