烏丸メヰ

ゴースト・オブ・マーズの烏丸メヰのレビュー・感想・評価

ゴースト・オブ・マーズ(2001年製作の映画)
4.5
SFとゴアとバトルとロックフェスが一度に来たような気合いの入ったホラー!!

火星に人類が移住した未来都市。
帰還した無人列車の中に唯一乗っていた女性警官の「証言」により、火星に起きている異変が明らかとなる。

『遊星からの物体X』や『ハロウィン』のジョン・カーペンター作品として知ってはいたが、勝手にコメディだと思い込んで今まで観てなかったのをめちゃくちゃ後悔した。
回想シーンを重ねて展開していく分かりやすく親切なつくり、驚異となる“もの”の実態をなかなかはっきりとは描かない所やストーリーライン等『物体X』を知っているからこそ勘ぐりすぎてしまうような描写に、なんといってもSFXとVFXの塩梅がかなり好み!

驚異に見舞われた人間は「メタラーみたいになる(としか言い表せない)」という面白さや、ノリノリの音楽にのせてマッドマックスの大群を相手取る銃撃戦みたいな謎の熱さ、たまに挟まる笑いも全てが退屈させず世界観とキャラクター達にどんどん愛着が持てた。

2000年代初頭の作品なのに
・火星は女家長社会(なので隊長や副隊長などトップが女性で、気骨があり、そう描かれながらも重要人物の会議では男女比がほぼ半々)
・肉体関係を引き換えに出世を打診する同性愛者の女隊長
等、昨今のポリコレ漬け作品よりよほど感触が良かった(特に後者。少数者にも子供にも病人にも普通に善人も悪人もいて当たり前、という形を描くべきだと私は思ってるので)。
烏丸メヰ

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