『摩天楼を夢みて』
原題Glengarry Glen Ross.
製作年1992年上映時間100分。
アル・パチーノ
ジャック・レモン
アレック・ボールドウィンなど個性派役者が競演。
不動産業界をテーマに営業という職種、人生観、価値観などを、役者それぞれが絶妙の演技で伝えていく米国ヒューマンドラマ。

ニューヨークにある大手不動産会社のセールス部門。
不動産不況の折、本社から若い幹部が乗り込んできて『成績の悪い営業マンはクビだ』と脅しをかけてきた。
そして、不動産セールスマンたちの凌ぎを削る争いが繰り広げられる。。。

ピュリツァー賞を受賞したデヴィッド・マメットの舞台劇『グレンギャリー・グレン・ロス』は、初演からちょいしてから映画化の話がでたそうで、デヴィッド・マメット自身で脚色された、不幸なことに製作会社の倒産によりたち消えになってた。
これに目ぇつけたジェームズ・フォーリー監督とアル・パチーノによって実現した映画化だそうで念願叶った力作やと云えるかな。
少々、地味やけど米国社会の複雑な層を容赦なく切り取った意義深い作品やと思います。
かなり隅々まで計算したセリフ回しと、キャラの生活環境、過去や経歴とか、どのキャラにも細かい設定がされ、脇役キャラにもセリフの端々からドラマを感じることができました。
観てる側がホンマ空想、妄想？想像できる巧さがありましたし、薄いキャラ違って厚みがありました。
兎に角、脚本のすごいところはラストっすね。
どうか最後まで観てください。
この物語の素晴らしさを感じてほしいし、落ちはマジ見事っす。
ジャック・レモンの表情は必見すね。

80年代、不安定な経済状況を打開すべくレーガンが打ちだしよった政策の多くはこれでもかってほど富裕層にのみ有利なモンやったし、米国国内の格差は拡大した。
自己責任論を押し着せられた低所得者層の多くがドロップアウトをしなきゃならんようになった。
ここで連想するんは
『アメリカンドリーム』　
ちゅう言葉やけど、大恐慌時代にあらゆる労働者への機会の平等を希求する目的で唱えられたこの言葉てのは、時流とともに意味を変質させ、形骸化していった。
個人の幸福が経済状況に左右される80年代以降の社会にあっては、すでにアメリカンドリームは飽くな競争社会の到達点にしかなりえへん。
今日ある生活が明日もあるてのは限らへんと云いう切迫感の中で、
罵り合い、
だまし合い、
泣き落としにかかる男たち。
本作で描かれる剥き出しのヒューマンドラマは、まさしく形骸化したアメリカンドリームに踊らされた米国の小市民の悲喜劇そのものちゃうかな。
地味な話にジャック・レモンとアル・パチーノが命がけで仕事をする男を演じる姿は言葉にするのは難しいくらい良かったです。

不動産のセールスマンという設定や止まらない台詞の応酬、登場人物のキレっぷりにピリピリとした緊張感が画面越しにも伝わる作品だった。しかし。キャストが揃っている分期待していたが盛り上がりに欠けていまひとつだった。

【隠れた傑作⁉︎シリーズNo.6】

名優たちが”舌〟で殴り合う、白熱の密室劇！

アル・パチーノ、ケヴィン・スペイシー、エド・ハリス、アラン・アーキン、アレック・ボールドウィン、そして…ジャック・レモン

すごい顔触れ！

名優たちが演じる登場人物は実在した人物をモデルにしているらしく、かなりリアリティを追求した作品になっている

ノルマが厳しい不動産セールスマンの裏側を描いていて、職場の殺伐とした雰囲気が漂ってくる演出は見事！観ていて息苦しくなる…（苦笑）
今でこそ時代の流れで変わってきてると思うけど、ちょっと前の訪問販売とかは、本当にこんな世界だったように思う…

アル・パチーノ節全開、ジャック・レモンの悲壮感、クールなケビン・スペイシー、エド・ハリスの目力…
見どころたくさんの名優たちの演技合戦！

”正当に評価されたいという強迫観念が悲劇を生む〟

”レザボア・ドッグス〟のビジネス・バージョン的な感じの良作です！