ダイゴロウ

晩春のダイゴロウのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.7
かの小津安二郎監督作品。

妻の実家で鑑賞したが、今まで見た映画の中で、一番泣けたかも知れない…。

娘をいい加減嫁に出そうとする父親と、家に残りたいと考える娘の話。
名優、笠智衆演じる父周吉がいい男過ぎて、離れたくない娘の気持ちも分かってしまう…。
序盤の原節子の過剰とも言える笑顔は、
彼女がそれだけ満たされていたからなのだと思うと、また泣けてくる…。
旅先での夜の会話のシーンが良すぎた。

作品として少し"美しすぎる"きらいはあるものの、これだけ感傷的で郷愁を誘う普遍的な作品はなかなかないと思う。
この時代の邦画が好きだなーと。
(コンパクトな分、同監督の「東京物語」よりお勧めしやすい作品なように思いました。)
小津監督作品はもっと観ていきたい…。