佐藤克巳

草を刈る娘の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

草を刈る娘(1961年製作の映画)
4.5
石坂洋次郎原作で牧歌的映画の傑作だった新東宝、中川信夫監督「思春の泉」の配役が、宇津井健、左幸子、岸輝子、高橋豊子のピッタリ感が半端なく素晴らしかったので期待はしていなかったが、日活カラー再映画化では文芸作品に定評ある西河克己監督が前作以上の傑作とした。津軽平原の美しい景観と、大抜擢された浜田光夫と吉永小百合が浅丘ルリ子と小林旭「絶唱」同様に成功を収め、二人を一躍スターダムに押し上げた上、吉永の美しい輝きは生涯の頂点に達した。望月優子、清川虹子の助演も見事で、うら若い男女の結びつきに、この老婆の様な後押しが絶対必要と実感した。なお、警察官益田喜頓の飄々とした演技も見もの。
佐藤克巳

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