このレビューはネタバレを含みます
この映画でE.ノートンの演技派としてセンセーショナルなデビューを飾り、どんでん返しが代名詞になったのは、彼にとって幸福だったのだろうか?
《ファイトクラブ》は名作だったが、その後の作品群について彼が出るとどんでん返しを期待される分、不幸であったかもしれない。
R.ギアについてはもっと深刻で、出世作《アメリカンジゴロ》でチャラいイケメンのイメージがついてしまってから、《プリティウーマン》や《愛と青春の旅立ち》や《シカゴ》など、ヒット作もあるのに今回の様に他の俳優に喰われてしまうイメージがあり、アカデミー賞には完全にソッポを向かれているように思う。
そういう意味ではR.オニール辺りと被る。
ロイとアーロンの人格がいつ入れ替わったのか、ラシュマン大司教に行為を強制されてそうなったのか、元々生来的にロイだったのかその辺りも判然としないし、頼りなげで不幸な身の上の侮られやすいアーロンが、実は法廷や弁護士や世間までも手玉に取っていたという結論だろうが、初見でもある程度知っていたら特に驚くことは出来ない。
あの後ショーネシー主任検事に処分が及ぶのか否かに興味があったが、映画としてそれは雑味なのかも知れない。
全くE.ノートンや映画の内容を知らなければ、見応えある法廷ドラマ作品だと思う。