odyss

ベルンの奇蹟のodyssのレビュー・感想・評価

ベルンの奇蹟(2003年製作の映画)
3.3
【戦後まもないドイツの様子が印象的】

ドイツ映画。 

敗戦のショックが尾を曳く1950年代半ば、サッカーのワールドカップ・スイス大会で、ドイツ代表が優勝し、自信を失っていたドイツ人たちに勇気を与えた実話を背景に、長いソ連抑留生活から帰ってきた中年男と家族の軋轢と和解を描いている。 

話の展開に派手さはなく、ハリウッドあたりならもう少しうまく作るだろうという気もしないでもないが、あまり作為的にならずに、当時の世相や世代間対立を淡々として描いているところはまあ悪くないと思う。

数年に及びソ連抑留からドイツに帰還した父が、久しぶりに再会した息子に「ドイツの男は泣かない!」と叱咤するシーンなど、世代の相違がたくみに描かれているところがいい。日本でも、根性のある映画監督なら、その辺の世代による感覚の相違をちゃんと作品化してもらいたいものだが。
odyss

odyss