信仰心の脆弱性を描いた傑作。妻に先立たれた牧師の元へ中国が原爆を作るニュースを見て原爆への恐怖を抱えた男とその妻が祈りを求めてやってくる。
妻が死んだことで信仰心に懐疑心を持っていた男にとって、原爆という信仰心では解決できない問題のために信仰心は揺らいでゆく。
牧師が信仰心への懐疑心を告白した途端に、男は自殺。祈れば万事解決とは行かない、信仰心の虚無性。
また自殺したフォン・シドー、希死念慮や問題意識を抱えながらも宗教に対して救いを求めていたのだと思う。しかし簡単に心は開けない、希死念慮は払えない。この描写がすごく繊細だった