似太郎

冬の光の似太郎のレビュー・感想・評価

冬の光(1962年製作の映画)
4.6
【世界認識の方法】

🕯核戦争で世界が終わる!という神経衰弱に陥った男が後半、自殺。(笑)

🌍タルコフスキーの『サクリファイス』の先駆けとも言える終末モノの一つであり、牧師の内的葛藤を通して世界の不条理を抉ったシリアス・ドラマ。「神の沈黙三部作」の内の一編。

このようなメンヘラ的世界観に果たして同調できるか…?と言えばキッパリ否だが、カルト宗教の宣伝みたいな作風なのに映像がスッキリしておりキリスト教的なモチーフが多々見られる独創的な画作りは誠に秀逸。

⛪️「主よ、なぜ我を見捨て給うか?」と問う些か滑稽でありながらクソ真面目な牧師の生き方を通して「そんな世界の見方もあるわな〜」といった無宗教者である私としてはちょっと冷めた視点で鑑賞してしまった。深刻ぶった作風はマジかギャグか。

大雪のシーンが北欧らしく寒々しく、臨場感のある映像を捻出しており素晴らしい。
似太郎

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