パン

ランブルフィッシュのパンのレビュー・感想・評価

ランブルフィッシュ(1983年製作の映画)
4.6
良い映画だった。
やっぱりコッポラの名は伊達じゃない。
どのショットも抜群にキマってて他の映画監督とは格が違うよ。 

正直ビジュアルの古い不良の抗争なんてモノクロで描いて面白いのか?と鑑賞前は不安に思ってたが、ここまで感情移入させてくるとは…
監督の手腕に脱帽した。
俺は僅か20分ばかりでこの映画の虜になったね。
最初の抗争シーンから迫力ある。 

あの金魚だけカラーにする演出とか黒澤明監督の天国と地獄の影響受けてそうだな。 
この映画は80年代の作品だけど、モノクロにしたのは大正解だね。
ちゃんと作品の雰囲気にも合ってる。 
ビリヤードの音が心地良い。

マットディロン、ミッキーローク、ニコラスケイジ、デニスホッパーとキャストも実力派が揃いだ。 
ミッキーロークは若いけど既に大物な貫禄ある。
そして不良のお話ではあるが、ベースとなるのはあくまで兄弟や家族の物語なんだな。 

一瞬弟が天に召される演出とか突然のことすぎて驚いたわ。
突然のSF描写w 

タイトルのランブルフィッシュとは互いに殺しあう闘魚のことだ。
ランブルフィッシュは鏡を見ると自分の姿を敵だと勘違いして攻撃を始める。
つまり彼ら不良と通じるものがあるな…

コッポラ監督の何が凄いってつまらん映画ほとんどないんだよなあ…今まで俺が観た作品全部面白いわ。
カンバセーションが特に好き。

この映画は噛めば噛むほど味が出るスルメ映画だと思う。
ファイナルシーンで海をバックにした海鳥たちのシルエットも実に美しい。大満足。
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