似太郎

張込みの似太郎のレビュー・感想・評価

張込み(1958年製作の映画)
4.3
大木実演じる刑事の「さあ、張込みだ!」から始まる日常のスケッチ画。

橋本忍の独壇場とも言えるロジカルな展開と独特な「間」を活かしたサスペンスフルな演出が堪能できる。主演の大木実と高峰秀子の圧倒的存在感。

松本清張原作モノでは『砂の器』が駄作に見える程の風格があり、無理やり泣かせるベタベタな要素が少ない。(私は『砂の器』が昔から大嫌いなので…)

ジワジワと心理的に締め付けられる緊迫した空気感が素晴らしく、ヒッチコック作品と見紛うほど。オチも潔く、野村芳太郎監督らしく手堅く纏められた古き良き邦画の逸品に感じる。
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