ダイゴロウ

こわれゆく女のダイゴロウのレビュー・感想・評価

こわれゆく女(1974年製作の映画)
4.1
本作の妻は確かに不足している部分はあるものの、彼女を壊しているのは夫の方だと思う。

仕事で妻との約束を守れないのは仕方ないとしても、早めに連絡も入れないし、翌日二人で過ごそうなんか言いつつ、前触れもなく多くの客を家に招くし…そりゃ迷惑でしょう。
そもそも妻が興奮しやすい性格であることを分かっているなら、無闇に客を招くなよと思う。

妻が精神病院に入った経緯も気に入らないけど、出所祝いにあまりにも多くの人を招くし、妻が静かにしていたら「自分を出せ」的な叱咤するし、なんやねんこいつって感じ。(夫側の親すらちょっと引いていた気がする。)

思うに不足している妻を抱えている被害者でありたいんだろうなと。
妻のことを一切話さない同僚を詰めたりしている場面にそんな彼の気持ちが出ているのかもしれない…。

ジーナ・ローランズの演技が素晴らしい。
「夫婦愛を描いている」なんて、そんな簡単な作品ではなかった。