マインド亀

コナン・ザ・グレートのマインド亀のレビュー・感想・評価

コナン・ザ・グレート(1982年製作の映画)
3.0
まさしく肉と肉がぶつかり合う肉体派ファンタジー

●そもそもファンタジー映画があんまり肌に合わないっていうのがあるのですが、コナンはさらにシュワちゃんの筋肉映画だと思っていたので、めちゃくちゃ敬遠していた作品。
まあ、コナンといえばソードファンタジーであるとかヒロイックファンタジーの元祖であり、ファンダムが大きく今のファンタジーに多大な影響を与えた作品。基本的には現代世界と地続きの地球が舞台なのですが、宇宙の概念もあるらしいので、アトランティス恐るべしといった形です。

●私も正直ファンタジー作品には詳しくないので、本作に限った薄ぼんやりとした印象でレビューしますが、ほぼ想像通りでございました。シュワちゃんが剣を振り回す話。ええそのまんまです。しかしながら思った以上にシュワちゃんの筋肉を余すことなく映し、文字通り肉と肉がぶつかり合うセックスシーンが多めでございました。子供と観なくて良かった。

●映画のビジュアルはやはりCGのない時代だけにおそらく大変な予算を使って作られたであろう、めちゃくちゃ壮大。イタリアを中心としたロケ地も素晴らしいですが、それに特撮でミニチュアなどを合成する技術も、知恵と工夫でなんとかしているのが面白くて、ロケ地を掲載するサイトなどを見ていると楽しくなりますね。
またエキストラの人数も半端じゃないです。遠景にびっしり人が映るカルトの儀式のシーンは、衣装を揃えることも含めて本当にすごい。これを観るとどんだけ技術が発展してもCGはCGとわかってしまうことが分かります。
ソコに来てタルサの顔の変形するところはびっくりしました。普通の人の顔が徐々にニューンとヘビ型に伸びていくのは、CGよりリアル。こういうのを観ると昔の特撮を観るのはやめられないんですね。コナンを連れて行こうとする精霊の表現も、アニメーションで描かれていますが、これもまた前衛的で面白い。上手く実写との合成がされていて、「やっぱりファンタジーにはこういうアートな表現が必要だよな」と思いました。今ならCGで、霧や光の表現ができちゃうんですが、それが面白いか、記憶に残るかというと全然ですからね。

●ストーリーとしては、原作にない復讐譚で、割と重厚な作りでした。その割に仲間がテンポよく増えていきます。反面、ウェットなシーンはタルい…さっきのセックスシーンもなまめかしく長めなのでこれもタルい。
重厚でそれなりに良い感じたとは思うのですが、シュワちゃんがほとんど喋らないので、割と単調になりがちなんですよね。ドラマチックに見えない。
コマンドーの迷彩メイクをこちらが先にやっていたのには笑えました。
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